相続放棄をすると裁判所から呼び出しを受けるか

文責:所長 弁護士 江口潤

最終更新日:2024年10月09日

1 相続放棄をお考えの方へ

 相続放棄とは、亡くなった方(被相続人)の財産を一切相続しない(=引き継がない)という意思表示を家庭裁判所に対して行う手続きのことです。

 裁判所の手続きというと、裁判所に行かなければならないのか、ニュースやドラマなどで見るような証言台に立って裁判官から質問を受けたりするのかと、不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

 では、相続放棄をすると裁判所から呼び出しを受けることがあるのでしょうか。

2 裁判所から呼び出しを受けることはほとんどない

 結論から言えば、相続放棄をしても裁判所から呼び出しを受けることはほとんどありません。

 相続放棄の手続きは、相続放棄をしたい旨記載した「申述書」に、被相続人の戸籍や住民票の除票、相続放棄をする人の戸籍謄本等の必要書類を添付して裁判所に提出することによって行われます。

 なお、提出は、郵送で送付することでも足ります。

郵送で手続きする場合には、裁判所に行く必要もありません。

 また、相続放棄の申述をした後、「照会書」と呼ばれる書面が自宅に届くことがあります。

 これは、相続放棄が間違いなく自身の意思でなされたものか、また、相続放棄と矛盾するような単純承認に該当するような事情(被相続人の財産を処分するなど)が無かったかなどを確認する書面です。

 こちらについても、家庭裁判所に郵送すれば足りるものですから、裁判所に行く必要はありません。

3 裁判所に呼び出される場合

 例外的に裁判所に呼び出される可能性がある場合としては、申述の際に提出した書類に不備や不足がある場合、照会書に記載の内容について確認の必要がある場合(本当に本人の意思に基づいてなされたものか疑問がある場合や、単純承認事由に該当する可能性のある行動があった場合など)が挙げられます。

4 裁判所からの呼び出しが不安であれば弁護士へ依頼

 相続放棄の手続きをご自身で行うと、不備や不足が生じやすく、裁判所から呼び出しを受けてしまう可能性があります。

 他方で、相続放棄の手続きを弁護士に依頼すれば、弁護士は本人の代理人となって手続きを進めることができます。

 裁判所とのやり取りは弁護士が行ってくれますので、裁判所から呼び出しを受けることはほとんど無くなります。

 裁判所によっては、照会書のみご本人のご自宅へ郵送する運用をとっていることもありますが、その場合でも照会書の記載方法については弁護士がお教えしますので、ご安心ください。

 相続放棄をお考えの方は、弁護士法人心までお気軽にご相談ください。

 

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